塗装で大事なこと

 塗装は仕上がり見栄えも大事ですが、よく見落とされているのが下地処理の過程です。

下地処理をせずに塗装だけをしてしまうと、劣化したままの状態の上から塗装することになってしまうために、一時しのぎとしては効果があるものの、長期的な住まいの保護という意味では中途半端になってしまうのです。

 

 わかりやすく例えると下地処理は女性のお化粧で言うところのスキンケアになります。お肌の調子が良くないと、どれだけ良い化粧品を使ってもノリが悪くなっていまいます。ですから、どのような素晴らしい効果をうたっている塗装であったとしても、見積時には「下地処理について説明してください」と言うことが大切です。

下塗り

木部

 目止め効果の高い専用の下塗り塗料や上塗りと同一の塗料を使用する場合もある。

 

鉄構造物

 さび止め塗料が一般的

 (鋼材が酸化して腐食するのを直接防止する)

 

コンクリート、モルタル

 素地の状態によりフィラー類を下塗りと称することもあるが建築分野では

 シーラー(合成樹脂エマルションクリヤー)のことを主に示す

下地調整

選択した塗料を狙い通りに仕上げるためには、下地調整が重要でありこれを怠ると仕上がり精度が低下するばかりかでなく、将来的に塗膜剥離や早期の錆の発生や躯体の劣化など様々な不都合が生じる。

タイプ 特長・用途
シーラー

①密着性向上

②吸い込み止め

③アルカリ押さえ

フィラー

下地の不陸を補修したり、ひび割れを隠したり模様を変えたいときに使用する。

セメント系、樹脂系のものが一般的。シーラー機能を兼ね備えるものもある。

プライマー

(錆止め)

鉄やアルミ面に塗装するとk錆止め機能と密着機能をもたせる為に使用する。

種類は用途、性能によって多種にわたる。

一般的な下地補修要領

コンクリート・モルタルの欠落・剥離の補修

 コンクリートとモルタルとの接着不良、モルタルのひび割れ、浮きによって

剥落した箇所及び剥落しそうな箇所を打検ハンマーで調査します。

②補修箇所をラッカースプレーでマーキングし、場所や面積を図面に明示します。

③剥落しそうな箇所は、ハンマー・ケレン工具等で剥がし粉化物を除去、清掃します。

④エポキシ樹脂モルタルで修復します。

鉄筋の発錆・膨張によるコンクリートの剥落

コンクリート内部から錆汁が流れていたり、鉄筋が腐食、膨張し、コンクリートが

浮いている箇所及び既に剥がれて鉄筋が露出している箇所を打検ハンマーで調査します。

②補修箇所をラッカースプレーでマーキングし、場所や面積を図面に明示します。

③補修箇所をハンマー等でハツリ落とし、鉄筋を露出させ、ワイヤーブラシ等で

サビ落としを行い清掃します。

④鉄筋部分に、特殊エポキシ樹脂錆止め塗料(ハイポン20デクロ)などの塗布により防錆処理を行う。

⑤欠損部への埋め戻しは、エポキシ樹脂モルタルをコテで塗布します。

⑥補修後の下地調整は、カチオン系フィラー(ニッペビルガードカチオンフィラー)をローラー塗装し

面調整を行います。

モルタル浮きの処理方法

①コンクリートとの接着不良(肌分れ)を生じたモルタル施工箇所を打検ハンマーで調査します。

② 著しいモルタルの浮き箇所をラッカースプレーでマーキングし場所、面積を図面に明示する。

③浮き箇所を電動ドリル(φ5)で㎡当たり916穴を目安(2030cmピッチ)としコンクリートに達するまで注入孔をあけます。

④モルタル接着注入用エポキシ樹脂を注入しコンクリートと接着処理を行います。

⑤注入孔は、エポキシ樹脂が流れ出ないようウエスを詰めエポキシ樹脂硬化後ウエスを抜き取りセメントフィラーを充填します。尚、ステンレスピンを接着穴に挿入することにより強度を増す工夫も多く見られます。

ひび割れ補修方法

コンクリート・モルタルに発生したひび割れをクラックスケールで測定し、

ひび割れの幅及び長さを調査します。

ひび割れ補修箇所(0.5㎜以上)をラッカースプレーでマーキングし、場所、

長さを図面に明示します。

大きなひび割れ幅(0.5㎜以上)は電動カッターでクラック幅を中心にUカット処理

(10㎜深さ10)を行い溝内を清掃します。

シーリング用プライマーを塗布した後、2液形アクリルウレタンシーリング材を

充填します。

⑤硬化乾燥後その段差をカチオン系フィラー(ニッペビルガードカチオンフィラー)で面調整を行います。

⑥0.5㎜以下の小さいひび割れは、弾性塗料を刷毛ですり込むように塗布しひび割れを

埋めます。

下地の段差修正の方法

下地調整で劣化膜などを除去すると模様の不揃い箇所・段差が生じます。

この段差を残したまま塗装すると、仕上げ塗料の種類によって異なりますが

仕上がり程度が一般的に悪くなります。

この傾向は仕上げ塗料の膜厚が薄いものほど顕著に表われます。

従って仕上がり精度を高めるためには塗膜除去した箇所を旧塗膜のパターンに

似た状態に回復しておくことが大切です。

 

● 下地がリシン仕上げの場合

  剥離した箇所にリシンを吹付け周囲と同じ模様に合わせる。

● 下地が吹付けタイル仕上げの場合

  剥離した箇所を既存仕上材と同じ様に吹付けタイルを吹付け仕上げる。

● 下地がモルタルや下地調整材から剥離している場合

  モルタルあるいは下地調整材で補修して同じように仕上げる。

鉄部面の下地処理方法

)劣化塗膜の除去 

劣化塗膜(浮き、ワレ、ハガレ、フクレ)はケレン工具を用いて、入念に除去します。

活膜は残してよい。

 

)錆の除去

鉄部の塗装では最も重要な工程です。

錆を残したまま塗装したのでは、いかに良い塗料を使用しても期待通りの性能寿命が

発揮できません。部位によっては異なりますが、ワイヤーブラシ、サンドペーパー

による手ケレンや電動工具により錆を十分に除去します。

  

)  

全面に軽くサンドペーパーを当てウエス等で拭き取ります。

ほこり、汚れなど付着物を残したまま塗装しますと密着性が低下します。

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